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丹萌乃が語る現在地×未来予想図

2018年のステップ・アップ・ツアーで年間賞金ランク3位に入り、注目を集めた、愛媛県西条市出身の22歳、丹萌乃(たん・もえの)。

TP単年登録でのプロデビュー年だったが、ステップ15試合出場で、1勝に加えて4度の2位フィニッシュ。4回目の挑戦となった7月末の最終プロテストでは1打差で涙を飲んだ。それでも、悔しさを晴らすべく臨んだテスト後の初戦『山陰合同銀行 Duoカードレディース』でステップ初勝利。優勝後に「合格した選手たちが多く出場していたので負けたくなかった。勝つことができれば自信をつけられる」と語った姿からは強い意志が感じられた。

その勢いのまま、同年末のファイナルQTはランク7位で通過。2019年は初のレギュラーツアー本格参戦となっている。さらなる飛躍を目指す丹がこれまで歩んできた足跡と、将来目指す姿について話を聞いた。

ゴルフを始めたキッカケやエピソードを教えてください

父が長女だった私と一緒にスポーツをやりたかったのが理由で、7歳からはじめました。父の知り合いのお子さんが私より少し年上で、小学生になるタイミングでゴルフを辞めてしまったらしく、用具を譲っていただき…自宅から1㎞付近にあるショートコース併設の練習施設にいったのが最初ですね。西条市内の小学生、中学生を対象にしたジュニア育成プログラムで、週一回火曜日に集まって練習していましたが、楽しかったのを覚えています。

本気でプロを目指そうと思った時期はいつ頃ですか?

中学3年で進路のことを考えたときに、初めて“ちゃんとプロを目指そう”と思いました。でも、中学に入るタイミングでは、一度、“部活をしたいからゴルフを辞めたい”と言ったんです。

生徒全員が部活に入らないといけなかったのですが、ゴルフ部がなかったので、バスケットボール部を希望して…でも小学6年生のときに全国大会3位に入っていたこともあり、父や学校の先生から「辞めないほうがいい、続けなさい」と。ゴルフの個人活動を部活として認めてもらえることになりました。自分では、“両方やりたい!”と言っていたので、ちょっとの間、嫌々でしたね(笑)

小学校の頃から運動が大好きだったので、そのときは本当に部活に入りたかった。体力テストの成績も良くて、足も速かった。絶対に負けないと燃えていて、保育園、小学校、中学校では、短距離走で学校の女子の誰にも負けたことがなかったくらい(笑)。だから本当はバスケットボール部ではなく、陸上部に入りたかったのですが、陸上部もなかったんです…。という経緯もありながら、ゴルフ一本に絞りました。

高校を選ぶ際は、まず県内を第一に考えていましたが、愛媛県はゴルフ部のある高校が多くなかったので、明徳義塾(高知県)、香川西(香川県)、作陽(岡山県)の候補のなかから作陽に決めて…寮生活に入るときにプロをなろうという気持ちが高まりました。

高校3年間で伸びたと思う部分はありますか?

すべてですね。ゴルフ漬けで練習量がそれまでと比べて、グッと多くなった。1年の頃はすごく良い状態をキープできていました。怖いものがなかったというか、上の学年に挑むほうが気持ち的にラクだったので。2年のときは結果が出せない時期でしたが、3年でまた調子を上げることができた。寮生活も含めて楽しかったですね。

高校卒業後、試合出場がままならない時期の心境は?

プロテストに一発で受かると思っていたので、落ちてからは一気に自信がなくなって…周りを見て焦っていました。

高校卒業後は、花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース内にある中島敏雅さんのアカデミーにいっていて、もともと仲が良かった高木萌衣ちゃんと2年間一緒に住んでいました。試合がまったくなかったので、キャディの仕事をして、練習をして…の繰り返しで、大事な試合がぶっつけ本番。試合勘もなく、なかなか結果を出せませんでした。そろそろヤバいな…と思っていたなかで、2017年末のQTではやっとファイナルまでいけて、ステップの出場権を得ることができました。

2018年はステップ年間賞金ランク3位という結果を残しました。得た手ごたえは?

向かうべき試合があるから自然と練習にも力が入る。継続して試合に出場できるようになったことで、日々明確な目標に向かって取り組めました。

デビュー年なので、全然自信がないままシーズンが始まりましたが、少しずつ成績がでてきて、ステップ最終戦の頃には、“トップ10に入るのは当たり前”くらいの気持ちで試合に挑めていた。自信を持てるか持てないかでこれだけ変わるんだなぁ、と実感しましたね。

最終プロテストは絶対合格するつもりでやっていましたし、直前の『ANAプリンセスカップ』で2位に入っていて、調子も悪くなかった。でも、伸ばし合いのなかでパットが決まらず…でした。それでもどん底に落ちることはなく、“次のステップの試合で頑張ろう!”とすぐに切り替えられたことが、ステップ初優勝に繋がったと思っています。

2019年は、初のレギュラーツアー本格参戦となっていますね。

前年のファイナルQTでは、ステップで得た自信もありましたし、“来年もステップにはフル参戦できる権利はすでにあるから…”くらいの気持ちでリラックスしてプレーできたことが上位突破に繋がりました。

でもレギュラーツアーは、もちろん開幕戦から出場するのが初めてで、わからないことばかり。ですが、いろいろな方にアドバイスをいただけるのは、非常にありがたいです。調子が悪くないのに予選落ちが続くこともある…でも毎試合、“開幕時よりもゴルフがしっかりしてきている!”と思えています。

「Team DELiGHTWORKS」に所属したことで考え方に変化はありましたか?

2018年は所属先がない状態でした。仕事をしにいったのに赤字で帰っていくのってプロゴルファーくらいじゃないですか。さまざまなサポートをしていただけるのはすごくありがたいこと。だからこそ、期待に応えなきゃいけない、という思いもあります。

これまで男子プロの方との関わりがなかったのですが、例えば、池村寛世さんが応援にきてくれたり、試合結果を見てくれて、「いまどういう感じなの?」と連絡をくれたりする。すごく力になっています。

試合で、普通に打てばまっすぐ飛ばせるのに打つ前にいろいろ考えすぎて曲げる…そんなとき、寛世さんが「オレはできないことをやろうとしない。できないことをやろうとするからダメなんじゃない?」と言ってくれて…。男子ツアーの上位で戦っている選手の言葉なので、もっとラクに考えたほうがいいのかなって。思考を変えるのはなかなか難しいですが、いまは頭を柔軟にすることを心がけています。

普段の性格も考えすぎるタイプですか?それとも寛容なほう?

すごくマイペースでボケーっとしていると言われる(笑)周りをみると、みんなしっかりしているなって思いますね。イライラしたりすることもあんまりないです。

ただ試合中は笑顔になれないのでちょっと違う印象に見られるかもしれません。最近はみんなから「試合中の萌乃はいつもと違う!なんで笑わんの?」と言われるので笑顔を出すようにしています。

こういう人になりたい!という理想像はありますか?

強い人になりたい!ひとりでも生きていける強い人…でも結婚はしたいですよ(笑)「萌とおったら元気になった」と言われるような人になりたいですね。友達が悩んでいたら、一緒にいてパワーをあげられるような存在に。いまですか…?? 周りの方に聞いてください(笑)ゴルファーとしてもそういう人になりたいと思っています。

最後にゴルファーとしての目標を聞かせてください

海外選手のプレーを見たりして、将来的な願望は持っていますが、いまは遠い未来のことではなく、目の前の目標をひとつひとつクリアしていきたい。今年がツアー1年目。ここで活躍することしか考えていないですね。

つねに元気でいたいですが、結果がでないと本当の元気は沸いてこない。ゴルフが好きで結果を残したいから練習にもいく。やっぱりいつもゴルフのことを考えてしまいますよね(笑)

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