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和田章太郎が語る現在地×未来予想図

高校3年時に『日本ジュニア』などを制し、有望アマチュアとしてプロ入り。ツアーでの飛躍を目指して、日々研鑽を積んでいる福岡県出身の和田章太郎(わだ・しょうたろう)。

2013年プロ転向。2016年は『LANDIC CHALLENGE』で勝利を挙げ、AbemaTVツアー(チャレンジツアー)で賞金ランク5位。翌年はツアー12試合出場で結果を残せなかったものの、2018年AbemaTVツアーでランク6位となり、2019年は2度目のツアー挑戦の年となっている。

ツアー優勝をはたした新鋭、出水田大二郎、秋吉翔太らとともに小田孔明率いる“チーム孔明”に名を連ねる。「Team DELiGHTWORKS」では、ジュニア時代から切磋琢磨してきた池村寛世に刺激を受け、同じ舞台で活躍すべく戦っている和田がこれまで歩んできた足跡と、将来の理想像について話を聞いた。

ゴルフを始めたキッカケとエピソードを教えてください。

小学校4年生のときに、父の会社の慰安旅行でハワイにいったことがあって。それまではゴルフというスポーツそのものを知らなかったのですが、ホテルの周りにあったゴルフ場を眺めていたら、たくさんの人が練習場にいて、“なんか面白そうだな~、あれはなんだろう?”と。お願いして連れていってもらい、実際に打ってみたら、バッティングセンターで球を打っている感じで、ボールが前に飛ぶのが楽しかった。“これは面白いなぁ”って(笑)。日本に帰ってきてから、習い事の感覚でスポーツクラブのゴルフスクールに入れてもらいました。

海外でゴルフに出会って、その後も続けていくわけですが、プロを志した時期は?

スクールに通いはじめた当初は、“今日、空振りしなかった~”とかいったりしていて、楽しんでいましたが、1年くらい経ったときに、地元福岡で開催された『ヴァーナルレディース』を観にいって…初めて観戦した大会で宮里藍さんが優勝したときに、ゴルフって面白いんだな、とまた思うようになって本格的に取り取り組みました。

5年生で競技に出場するようになり、6年生では全国大会にいけるようになって…中学に入る頃には漠然とした感覚ですが、プロを目指す気持ちになっていましたね。

高校最終学年で好結果が出てきたときには、もう本格的にプロへの道を?

高校2年になるまではトレーニングをしてなかったのですが、1年やってみたら、グンと成績があがったんです。食も細かったのですが、苦しみながらしっかりと食べて、きついトレーニングをして(笑)。3年のときに『日本ジュニア』で勝つことができて、日本アマランクも2位までいきました。

アマチュアとしてプロの試合に出場できるようになったときに、 “プロの世界って面白いな”と肌で感じることができました。覚えているのは、2013年の『マイナビABCチャンピオンシップ』ですね。

初日にホールインワンをして、トップ10くらいでスタートできたのですが、2日目を終えて上位を守って、3日目は片山晋呉さん、キム・ヒョンソンさんと同組。アマチュアとして上位にいたので、自分にも少し注目してもらいながらのラウンドだったのですが、その雰囲気がすごく気持ちよかった。

もちろん僕目当てのギャラリーではなかったですが、自分のワンプレーに対して拍手をしてもらえる。“こうやって一打一打のプレーで稼いでいきたい”という感情は、いまでも強く残っていますね。

その当時、理想とするプロゴルファー像はありましたか?

ゴルフをはじめたキッカケが親の影響ではなく、自分でやってみたいと思ったタイプなので、当初は、プロの方も全然知らなかったんです。それこそ、誰がツアーで何勝していて、すごい実績がある方なのか…も知識としてなかったので、憧れの選手はいなかったですね。

でも、僕がハワイでゴルフに出会ったということもありますが、漠然と海外への憧れや将来PGAツアーを目指したい思いはずっとありました。中国で戦うことは将来的に良い経験を積めると思っていましたし、いまはまだ足りていない部分が多いですが、PGAツアーに挑戦したいと思っています。

若い時にしかできないことは絶対にある。できるだけ若いうちにいろいろな経験をしたい。佐藤大平さんや(小斉平)優和がPGAツアーチャイナで活躍して、ウェブドットコムツアーに1試合でも多く出場できるチャンスを作っていたのはすごく羨ましかったですね。

性格的には、行動に対して積極的?それとも保守的?

プロになって最初の頃は、保守的だったと思います。でも、周りの方のおかげでいろいろなことを知り始めてから、やりたいことが増えている。本当にそれまで知識がなかったんです。孔明さんにお世話になっていることもそうですし、「Team DELiGHTWORKS」に所属させてもらったこともそうですが、プロになってからのさまざまな出会いで自分自身が少しずつ変わってきています。

もともと練習を集中してやるタイプで、プロになるまではだいたい1時間くらいしかやっていなかった。1日1000球なんて打ったことがない。本当に練習したな~ってときでも1時間半くらいでした。いまは仕事としてやっているので、しっかりとやるようになりましたが(笑)

性格でいえば…物事にあまり興味がない、かな? 極端にいうと、“自分がこれをやりたい!”ということ以外に興味がないといいますか…だからチームで動くのは、本当はめちゃくちゃ苦手なんですよ(笑)

「Team DELiGHTWORKS」の活動を通じて心情の変化はありましたか?

例えば、チーム合宿の場では、いろいろな意見が交換できて、みんなで上がっていきたいという目標のなかでやっていける。

(池村)寛世はジュニアのときから一緒の試合に出ていて、プロになってから彼が先にシードを獲った。僕自身、物事を吸収していくのに時間がかかるので、早く咲くタイプではない。そこに対して焦りの感情はないですが、もちろん自分も頑張らないといけないですし、お互いに向上心を持ちあえるいい関係でありたいと思っています。

プレーヤーとしての強みは?どんなプレーをファンに見てほしいですか?

いまのクラブは“飛んで曲がらない”が主流ですが、僕はどちらかというと、曲げてゴルフしたいほう。以前はフッカーで、どんなコンディションでもフックを打って攻めていた。ですが、2017年にツアーに出場していたときに、球筋には問題はなかったと思いますが、精度が足りなさすぎて、フェアウェイキープができない…グリーンで止められない…パーセーブができない…という感じでまったく戦えなかった。これじゃダメだ!と思い、昨年から練習でフェードを取り入れたり、フックの幅を小さくしたりしていますが、やっぱり曲げるショットが好きなんです。

例えば、林のなかで“ここからどうやってピンを狙うの?”という状況のなかからチャレンジしていく…とか。状況に応じて、球を上げてみたり、低く打ち出してみたり、あえてフックの幅を強めにしてみたり。飛ばし屋ではないですが、飛ばないほうでもない。“飛距離が出る”だとか“曲がらない”とかではなく、球を操るゴルフをみてもらいですね。

ひとりのプロゴルファーとしてどういう存在になりたいですか?

社会のなかでしっかり認められるような…人として尊敬されるようになりたい。例えば、“和田章太郎ってコース以外ではすごく態度が悪い”とか言われたくないですし、“プロゴルファーだから許させる”という生き方はしたくないですね。

PGAツアーの選手を見ても、ファンサ―ビスなどを通じて尊敬されるような存在は多いですし、どんな場面でも“和田章太郎はしっかりしているな”と。そういうなかで、たくさんの人に応援していただける存在を目指したいです。

「Team DELiGHTWORKS」も認められるチームになりたいですよね?

 ツアー優勝を経験している諸藤さんがいて、シードプロに寛世がいて…自分はもちろん、ひとりでも多く活躍する選手が増えていって、そのなかでチームの顔になりたいですね。

男女混合チームは、高校や大学の部活とはまたちょっと違って、不思議な感覚ではありますが、男子にしかないもの、女子にしかないもの…お互いに吸収し合えるものはあります。

僕の場合、例えば、ドライバーショットでチーピンが出ると相談を受けたら、“こういう打ち方になっているからチーピンがでるのか”という知識の蓄積になると思っていますし、故意に打って試してみたりもする。“ミスショットも別の形で使える”と考えるタイプなので、どんな会話も自分のためになると思って、積極的に関わりも持っていきたい。そういう環境を与えていただくことには、本当に感謝ですよね。

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